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現在の心境 3月25日

見えない敵と戦い、この地で農業者として生きたい

福島県二本松市 近藤恵

東日本大震災による福島第一原子力発電所(以下原発)の事故で、実家のある東京へ避難して一週間が過ぎた。
原発より約60キロ離れている二本松市は避難指示地域ではなかったが、3月11日以降原発の状況が日々悪化していくなかで、最悪のケースも考えての判断だった。

早く戻って農業をしたい。ただでさえ未熟な3年目の専業農家だ。
もっと飛躍したい。ジャガイモを植えたい、田んぼを耕したい、ネギの種を蒔きたい、夏人参に挑戦したい。
その気持ちを打ち消すように不安が持ち上がってくる。
作った米が、野菜が、放射性物質を吸収していたらどうしよう(程度の差はあるが植物は根から吸収する)。
そもそも自分や子供が長く生活していくことは出来るのか。
有機認証は取り消されるのか。
業者は扱ってくれるだろうか。
小さなお子さんを持つご家庭に売ってもいいものか。
当面の収入はどうするか。
集めた情報がまた不安をあおり、心を埋めつくし、時間だけが過ぎていく。

さて、今年の米はどうしよう。
作り手としては、いくら基準値をクリアしていても危険性のぬぐえない、いわば欠陥品を世に送り出したくはない。
欠陥の原因は私にないとしても、販売する責任は重い。
“疑わしきは使用せず”の精神で農薬、化学肥料を一切使用しないと標榜してきたわけだから、余計にそのことを徹底したい気持ちもある。
単純に農薬と放射性物質を比べることはできないが、被ばくによる遺伝子欠損などが、農薬や環境ホルモン物質の害と同様に恐ろしいものであるとすれば、予防原則にのっとり最低でも1年は作付をしないことが望まれる。
消費者からしても1年は手が伸びないのが正直な気持ちだろう。とてもじゃないが、力をこめて鍬を握れない。

暗い気持ちは免疫力を下げる。放射線で被ばくし、下がった免疫力の回復には復興への希望が必要だ。
米や野菜が許されなければ、花はどうだろう。
放射性物質が実に移行しないとされる菜種を栽培して搾油するのはどうだろう。
バイオエタノール・バイオガスの原料を生産し、原発に代わるクリーン発電を模索できるかもしれない。
土に関わる営みはゼロではないはずだ。

今年は販売はおろか、自分で作った米さえも自分の口に入れることができないかもしれない。
上記の試みだって利益があがる保証はない。
でも、かならずこの地を豊かな農地に戻す。回復した土地で、被ばくに負けない野菜を作ろう。
一人ではできなくても、すぐにはできなくても、知恵を合わせればできるかもしれない。
欲望・科学への慢心、失望・あきらめ、そして放射能という見えない敵に背を向けず、この地で農業をしたい。
怒りや正義の主張ではなく、希望にあふれた汗を流したいのだ。


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ご注文はメールまたはFAXで。数量とご連絡先、お支払い方法をお知らせください。
お支払いは銀行振り込み(前払)、または代金引換(315円)にてお願いいたします。
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メール:kei○chitata.com (○を@に変えて送信)
FAX:0243-23-3067

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商品のご注文

22年度産米、加工品のご注文

22年度産米、有機JAS米はわずか、減農薬米は十分にございます。
良食味の土地、福島県中通り産のコシヒカリをどうぞご賞味ください。

ちたた農園ご注文ページ


ちたた農園について

概要

近藤恵が経営する農園です。有機栽培による米・大豆・雑穀・野菜・加工品を販売しています。

「ちたた」とは

「知足楽」と書いて「ちたた」と読みます。
―――知足即楽生活
足るを知れば即ち生活が楽しくなる。
満足を知らなければ、
いつも心に不足を覚えていれば、苦しいばかり。
あれば、それに越した事はない(楽だ)といわれる、さまざまなもの。
しかしそれらは、あればもっと欲しくなり、
その欠乏感に苦しむのも事実。

何を糧として私は前へ進もう。
自分に与えられた恵み、多くの命・人に支えられていること、
そのことを良く知ることで満足を得、それを糧として
楽しく前へと進みたい。こんな願いから名をつけました。
―――燈台元暗し
遠くを見つめることも大事ですが、自分の足元が
しっかり支えられていることを大事にしたい。
今は飽食の時代ですが、必ず食料が足りなくなる時代が
来ると言われています。そういった意味もあります。

『わが恩惠なんぢに足れり、わが能力は弱きうちに全うせらるればなり』
―――II Corinthians 12:9


農園の場所など

福島県二本松市

福島県の二本松市です。田畑はすべて東北道二本松ICの周辺2km以内にあります。

農産物のご購入は

農産物のご購入はちたた農園ご注文ページの用紙でFAX・郵送・またはメールで承ります。

ブログ

日々の記録をちたた農園ブログにて、写真を交えながらお伝えします。


プロフィール

農園主 近藤恵のプロフィール

近藤恵(こんどう けい)
昭和54年(1979年)東京都生まれ。
筑波大学農学部卒(現生物資源学類)
全国愛農会就農準備校修了
小泉循環農場にて有機農業研修
JAみちのく安達二本松有機農業研究会にて有機農業研修
二本松市において「ちたた農園」を開始